結核予防会の事業


結核予防会 は、結核研究 を基礎として 結核制圧 のため 
全国にわたる組織をあげて活動してきました。
近年は、途上国の結核対策への国際協力を行う一方、
結核だけでなく、肺がん その他呼吸器疾患の研究などにも力を入れています。

日本の結核罹患率は2023年に人口10万あたり8.1となり、日本は低まん延国となりました。
結核の根絶に向けて、さらなる対策を行っていきます。

日本の結核事情 日本は低まん延国になりましたが、新登録患者の中では高齢者や外国生まれの人が多くを占めており、重要な課題となっています。
近年の特徴1
高齢者の結核
 
結核と診断された4割近くが80歳以上です。 
近年の特徴2
外国生まれの患者の結核
 
外国生まれの患者が全体の約1割を占め、20歳〜29歳では7割が外国生まれです。 


○ 普及・広報活動
結核予防法から感染症法へ
平成19年4月に結核予防法は廃止され、感染症法に統合されました。
しかし、結核対策として必要な取組みは、基本的に変わることはありません。
先の法律改正で、高齢者や社会的弱者、大都市・特定地域に結核患者が集中している現状にあわせて、結核検診が見直され、一人一人を大切にした個別的、リスクに応じた、きめ細かい対策に変わっています。

国民みずからが結核についての正しい知識をもつことは、ますます大事になっています。
当会は、全国の結核予防会支部や婦人団体と連携を取りながら普及啓発事業を行っています。
   ☆ パンフレットやポスターの作成、配布、      ☆ 講習会の開催、
   ☆ 研修会への講師の派遣等
機関誌「複十字」 には、結核の研究、対策の解説や 将来の展望 なども掲載しています。
結核予防全国大会:
結核問題を中心に広く保健活動の在り方を検討し、結核予防運動の推進に努めています。
令和5年度の全国大会は、東京都で開催しました。
結核・呼吸器感染症予防週間:
毎年9月24日〜30日を結核・呼吸器感染症予防週間と定め、全国一斉に結核予防のための啓発普及活動を行います。
    今般、新型コロナウィルス感染症をはじめとした呼吸器感染症の脅威が再認識されています。そのため今年度より、9月24日〜30日の「結核予防週間」と同時期に「呼吸器感染症予防週間」が新設され、両週間については「結核・呼吸器感染症予防週間」として実施することになりました。  
○ 出版事業
結核予防に関する、専門家向け、一般向けの 書物、パンフレット等の発行をしています。
○ 複十字シール運動
複十字シール運動は、結核のない世界をつくる運動です。その実現のために募金活動を行うとともに、病気への理解を広め、予防の大切さを伝えています。
1904年にデンマークでクリスマスシールが発行され、その益金は結核に苦しむ人々のために役立てられました。シールを使った募金活動は世界に広がり、現在も各国で行われています。結核予防会は1952年に最初の複十字シールを発行し、運動が始まりました。
令和6年度複十字シール運動実施計画
運動期間: 令和6年8月1日から12月31日まで
   運動期間外も募金を受け付けています。
複十字シール: カラー4色刷り、 テーマは「自然との調和」
           大型シート(24面綴り)、 小型シート(6面綴り)
募金実績 (令和5年度):  募金収入額  約 1億7778万円  (事業費 1億2008万円)

          益金の使途:

結核予防の普及啓発に 国際医療教育シンポジウム、結核予防週間、講習会・研修会開催など 6570万円 54.7%
結核予防事業の助成に  全国各地域の結核予防婦人会等の活動など  2186万円 18.2%
国際協力に 開発途上国への結核対策支援 3197万円 26.6%
調査研究に 胸の病気(結核、肺がん等)の研究や調査 55万円 0.5%
○ 結核・呼吸器疾患に関する研究
結核研究所が中心となって、結核を総合的にとらえるという基本姿勢に基づき、理論的、基礎的研究にとどまらず、臨床面の応用研究や 疫学的な調査まで、広く結核の全領域にわたる研究を行っています。
結核研究所(所在地は、東京都清瀬市)は、国内で唯一の、世界でも数少ない結核専門研究施設として、内外の研究組織と協同して、あるいは、自ら研究班を組織して、研究を推進しています。
○ 結核発生動向調査事業
わが国では、昭和62年1月から、全国の保健所、都道府県・特別市、厚生労働省などをオンラインで結んで、世界に誇る結核発生動向調査事業を行っています。
この詳しい分析は、結核研究所で行われ、その結果に基づいて地域の結核問題、対策の実情を評価・提言し、政策の改善が進められています。
○ 検診活動と診療
結核の早期発見と確実な治療は、結核対策の重要な柱です。それには、定期的な健康診断と、咳や痰が続くときの早期受診が欠かせません。
結核専門医が少なくなってきた現状の中、80年の伝統と実績をもつ、結核を中心とした呼吸器疾患専門医療機関として、本会の2病院、1診療所、支部の医療機関において、高水準の医療と検診活動を実施しています。
複十字病院 (東京都清瀬市) および 新山手病院 (東京都東村山市)
呼吸器科のほかに 消化器科、循環器科などを併設し、地域の中核的医療機関としての役割を果たしています。

新山手病院と同敷地内に、介護老人保健施設、居宅介護支援センターを併設しています。
○ 結核予防業務従事者への研修
結核研究所は、結核に対する正しい理解と最新の知識と技術を学ぶ研修センターとしての役割も果たしています。
医師、保健師、看護師、診療放射線技師、行政担当者等に対し研修を行い、その修了者の多くは、保健所をはじめ、全国の結核対策および医療の現場で活躍しています。
○ 国際協力
世界の結核
世界総人口の約4分の1が既に結核に感染しており、新型コロナウィルスに次いで感染症の死因の第2位です。
2022年には約1060万人が発病し、約130万人が命を落としました。
貧困、脆弱な保健医療基盤、エイズ蔓延などが主原因 と考えられています。
    結核は全世界的な緊急課題として、積極的な取り組みが求められています。   
途上国の結核対策をサポート:
☆ 専門家を現地に派遣 〜 国家レベルから草の根レベルのプロジェクト。 ザンビア など
☆ 現地結核予防団体への支援 〜 結核予防会独自で。 カンボジア、ネパール
☆ アジア、アフリカ各国で セミナー、ワークショップを開催
人材の育成:
世界各国で結核対策を支える、医師、臨床検査技師などを対象に研修を結核研究所で行い、海外から高い評価を受けています。
海外で実施するプロジェクトにおいても、専門家による技術支援を通じて人材育成に協力しています。
世界から学ぶ:
結核予防婦人会員を対象とする、途上国の結核の実状を学ぶスタディツアー
WHOなど、国際機関が行う世界規模の事業の運営と活動に積極的に参加
☆ 全国結核予防婦人団体連絡協議会
長野県の小学校で結核の集団感染が発生したことをきっかけに 「結核予防は主婦の手で」 を合言葉に 地域の結核予防婦人会が結成されました。昭和50年に全国組織となり、平成24年に公益社団法人となりました。
○ 結核予防会へのご寄付は、税制上の優遇措置が受けられます。
    

       ○ ご連絡、お問い合わせは、本部 (下記) または各都道府県の支部へどうぞ


公益財団法人 結核予防会

〒101−0061
東京都千代田区神田三崎町1−3−12
   TEL:0120−416864
   
https://www.jatahq.org/
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