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希望点訳を続けて


点字を習い始めたのは、アメリカに住むことになった時でした。
 点字を習い始めた時は、読むことばかりでしたが、念願の打つようになってから、40年以上になりました。夫の転勤でアメリカに住むことになった時、その地にいるから出来、この先ずっと続けて行ける何かをしたいと考えて、地域の「点字クラブ」で点字の初歩から教えていただき、会員の買い物のお供や送迎など、私の眼でお役に立てることをしたのが、はじめでした。
帰国して日本点字図書館の希望点訳をすることになりました。
 アメリカの議会図書館の点訳資格を頂き、帰国後、母校で依頼者の点訳をしておりましたが、’77年頃から日点の希望点訳をさせていただくことになりました。その後も転勤で行った国の点字を覚え、また日点の担当の方のお勧めや、依頼に応じて学んで、種々の言語を点訳するようになりました。もともと言語が好きなこともあり、おかげさまで、面白い仕事をさせていただいております。
 思いがけず長い間、多くの点訳を続けてこられたのには、いくつかの理由があると思います。
点訳を続けてこられた理由は、いくつかあります。その一つ、希望点訳は、興味が尽きないのです。
 自分からは選ばない本を点訳し、興味が尽きないこと。希望点訳は、自分の範疇にない本を依頼されますので、読むかたを尊敬しつつ点訳する日々です。
 夫の転勤で、方々に住みましたが、転居しても、絶えず点訳があり、新しい土地でも暮らしやすかったこと。
 この間には、両方の両親を送り、特に最後の義母の時は、私もあまり外出できない状態でしたが、点訳は、家で出来ることだったことなどが、あります。
 点字盤から入った点訳が、タイプと移り、’90年頃には、パソコンを使ってみるようにと、お話をいただき、労力の軽減と同時に、音もしなくなったので、好都合でした。
 中でも大きい理由は、最初から、今もって、忍耐強く、やさしく、ご指導くださる方々の存在に他なりませんし、依頼者との交流も楽しみなことです。
点訳に出会えてよかった。
 いつまで出来るかわかりませんが、点訳に出会えたこと、それに伴って素晴らしい方々とお知り合いになれたこと、また家族の理解にも、心から感謝しております。
2011年1月   忽那 幸子(くつな さちこ)
 この記事は、社会福祉法人日本点字図書館発行の雑誌「にってんフォーラム」の第77号(2010秋)に掲載されたものです。ただし、段落に分け見出しをつけたのは、当サイトの編集者です。
 同誌の編集者のご了解を得て、転載しました。ご好意に感謝します。
 

(110118掲載)

忽那さんの紹介 〜 「にってんフォーラム」第78号(2011冬)、第86号(2013冬)および第106号(2018冬)からの引用です。   
   忽那さんは、1969年、Los Angeles Braille Institute において英語点訳の講習を受け米国議会図書館の点訳資格を取得しました。帰国後は個人的に依頼される点訳を行いながら、当館でも1977年より点訳奉仕を開始されました。ドイツに居住されているときにはドイツ語点訳を習得し、英語、ドイツ語のみならず、ポルトガル語、ラテン語、ギリシャ語、アイヌ語など様々な言語の点訳を迅速に仕上げることを永く行ってくださり、利用者から高く評価されています。
日本点字図書館は、2010年度の第18回にってん野路菊章を忽那様に贈呈しました。   (館長 岩上義則)
 
 
   平成24年度の第61回東京都社会福祉大会で東京都社会福祉協議会会長表彰を、平成29年度の第66回東京都社会福祉大会で東京都知事感謝状を、それぞれお受けになりました。それまでの点訳のご活動は、19万6,806ページにのぼります。   (日本点字図書館)  

(180417更新)

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