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思い出すままに   (朗読ボランティア)


私が録音図書に興味を持ったきっかけは、1冊の本でした。
 今回このコラムに一文を、とのお話を頂き古い事で少々心許無いのですが、思い出すままにまとめてみました。私が録音図書に興味を持ったのは、有吉(ありよし)佐和子(さわこ)著「閉店時間」と言う本を読んだのがきっかけでした。はるか40年以上も前の事で記憶もおぼろげですが、物語はデパート勤務の3人の女性達をめぐる内容だったと思います。この内の1人の女性がそれこそデパートの閉店時間後に、点字図書館で朗読奉仕に励んでいる、という設定でした。元来本好きの私は、出来たら私もやってみたい!と思い意を決して日点に伺ったのです。その際、門柱に確か小説に有る通りのプレート「鉄道弘済会 テープライブラリー」とはめ込まれていたと記憶しております。
講習を経て直ぐに録音機を使用しての朗読が始まりました。
 私にとって幸い?でしたのは、その当時はボランティアとして活動する方もまだ少なく、大して知識も無く有るのは意欲だけ!と言う私でも何ヶ月かの講習で直ぐオープンリールの録音機を使用しての朗読が始まりました。週1回、仕事が終わってから「閉店時間」よろしく高田馬場へ通いました。同じ日にお会いする方々共、和気藹々と只々楽しい日々でした。時には終わってから本間先生が声を掛けて下さって、棟続きのお宅にお邪魔してお話を伺ったりしたのも、懐かしい思い出です。
結婚、出産で一時中断し、その後再開しました。
 其の後、結婚・出産と言う一時期を過し中断する際、又戻って来たい旨、快く聞き届けて下さり、子供が幼稚園に入ってから再開し今に至っております。
続けられたのは、聞いて下さる方々、受け入れて下さっている図書館、そして家族の理解があってこそとの思いがします。  
   こう振り返ってみて自分が好きな事を細々と続けて来られたのは、拙い私の朗読を聞いて下さる方々、又いつまでたっても進歩が無い(これ、実感です!)私を受入れて下さっている図書館の皆様、そして家族の理解が有ってこそ、との思いを強く致しました。只、初心の頃と違って「本が好き」という事だけでは済まず、寄る年波は致しかた無く頭、眼、気力、根気と様々な事柄と自問自答するこの頃です。今少し私自身も楽しませて頂こうかな?と傍迷惑もかえりみず・・・。  
2012年秋   宮原 惠美子(みやはら え み こ)
 この記事は、社会福祉法人日本点字図書館発行の雑誌「にってんフォーラム」の第85号(2012秋)に掲載されたものです。ただし、段落に分け見出しをつけたのは、当サイトの編集者です。
 同誌の編集者のご了解を得て、転載しました。ご好意に感謝します。
 
宮原様の経歴   
  宮原様は、1967年(昭和42年)5月に朗読奉仕を開始されました。
これまでの朗読のご実績は、106タイトル、約852時間にのぼります(平成24年9月末現在)。  (日本点字図書館)
 

(130220掲載)

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