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私の青い鳥   (朗読ボランティア)


目で人のお役に立てるかもしれないと、朗読者養成講座に申し込みました。
 昭和20年の春、六本木にあった女学校が空襲で焼け、終戦後の一時期、近くのミッションスクールのお教室を拝借して授業を受けておりました時に、クリスマス会で「青い鳥」の劇を見せて頂きました。その中に、これから生まれる赤ちゃん達の国があって、一人一人この世で何をするか目的を持って生まれてくるという赤ちゃん達の会話が、心に残りました。
 特にすぐれた才能もなく、ただ小さい時から遠視で、人より物がよく見えたのを単純に目がいいと思っていた私は、目で人のお役に立てるかもしれないと、子育てに追われていた30才の誕生月にアイバンクに登録、40才の誕生月を前に、偶然新聞で日点の朗読者養成講座を知り申し込みました。
朗読でうれしいことの第一は、いろいろな本に出会うこと。
 その後は子供達の長期入院・進学、母の介護などで、日点にも御迷惑をおかけしましたが、寛大な主人や家族、気持ちよく協力して下さるたくさんの友人に恵まれ、日点のテープ制作室の方々の御指導も頂いて、今日まで続けることが出来ました。
 朗読をさせて頂いて嬉しいことの第一は、自分ではまず選ぶことのない、いろいろな種類の本に出会うことです。歴史、基地・雇用など現代の問題、原子力や微生物の話、地震に関連して地球の大陸移動や動物・植物の分布、人間や新しい医学の話など、やじ馬根性の私はいつも新鮮で楽しく読ませて頂きました。
 何も専門知識がないのを逆手にとって、素人の私でも解るように読む、出来ることなら、聞いてくださる方が安らぐ時間にしたい、と思ってはいるのですが、相変わらずの力不足が悔やまれます。
朗読のしあわせを運んでくれた「青い鳥」に感謝しています。
 木造二階建ての日点のお部屋で、プツンとすぐ切れてしまったオープンテープの時から、カセットテープ、MOディスク、パソコンと格段に進歩する録音機器と共に過ごしたこのお仕事は、私の半生近くになりました。つたないテープを聞いて下さる皆様と、朗読のしあわせを運んでくれた、アノ「青い鳥」に心から感謝です。
2011年2月   古橋 洋子(ふるはし ようこ)
 この記事は、社会福祉法人日本点字図書館発行の雑誌「にってんフォーラム」の第76号(2010夏)に掲載されたものです。ただし、段落に分け見出しをつけたのは、当サイトの編集者です。
 同誌の編集者のご了解を得て、転載しました。ご好意に感謝します。
 
古橋様の経歴   
  古橋様は、1972年9月に朗読奉仕の活動を開始され、その後長年にわたり、主に調査に時間のかかる図書、図表などの多い専門書の製作に従事されました。
平成18年度の第55回東京都社会福祉大会で東京都社会福祉協議会会長表彰をお受けになり、さらに平成23年度の第60回東京都社会福祉大会では東京都知事の感謝状をお受けになりました。それまでの活動期間は39年で、製作図書は77タイトル、朗読時間は707時間にのぼります。     (日本点字図書館)
 
 

(110209掲載、120301経歴追加)

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