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点訳楽譜で音楽の楽しみを届ける


私は、楽譜点訳サークル「アンダンテ」に参加し、仲間と一緒に楽譜の点訳に取り組んでいます。

点訳の楽譜とは?
 触覚により楽譜を読むことができるよう、一般の五線譜の楽譜を点字により表記した視覚障害者用の楽譜です。ふつうの文章を点字で表記するのと同様に、6点方式の点字を用います。
 縦3点、横2点の6点のうち上の4点の組合せで音の階名(ドレミ、、)を、下の2点で長さ(4分音符、2分音符など)を表します。これでは足りない♯や♭、付点などは前または後ろに追加の6点枡を置きます。休符も音符と同じく長さを表記します。小節ごとに分かち書きをし、調性(ト長調など)と拍子(4分の4など)はその前に付けます。
 この表記方式は万国共通になっていますが細部に違いがあり、我が国では標準化された文部科学省発行の「楽譜点訳の基礎」という教本があります。私たちは日本点字図書館発行の「点字楽譜の解説」を使っています。
ピアノ譜の場合、また歌曲はどのように?
 楽曲により必要な音符や記号が違うので、楽曲に合わせて点訳します。ピアノ曲の場合、たとえば右手4小節、次に左手4小節という具合に繰り返し、全曲を終わらせます。
 歌曲の場合は歌詞と曲との対応のさせ方は各種あり、依頼者との相談によります。曲はピアノ譜と同じように書きますが、歌詞についてはそのことを示すための記号を歌詞の前に書き、外国語の場合は外国語前置符という記号を先に置いて表します。
点訳の作業の手順
 まず楽曲の選択ですが、これは利用者(依頼者)の希望によります。歌曲、合唱曲、器楽曲、教則本などいろいろです。「アンダンテ」は代表がサックス奏者なのでサックス曲が多いです。
 楽譜を下読みし、レイアウトは依頼者と相談してから点訳を行います。作業はサークル発足当初は1点ずつ点字板に手で打ち込んでいましたが、25年ほど前からパソコンを用い点訳ソフトでできるようになりました。情報機器は進歩しましたが、1音1音の点訳作業そのものには変わりがありません。点訳したデータはUSBメモリーに保存します。
 大切なのは正確性を確保するための校正です。自己校正、メンバー同士の校正と何度でもやります。
 印刷は、パソコン接続の点字プリンターで行います。川ア市内にこの設備が数か所にあります。厚手の用紙に印刷しますが、印字は凸点の打出しなのでインク使用の一般の印刷とは違って時間がかかります。B5版で片面30秒ほど(文字がびっしり詰まったページでしたらもう少し)でしょうか。アンダンテは表裏両面打ちしています。印字した紙をバインダーで製本しますが、用紙1枚に入れる情報量に限りがあるため、製本した点字楽譜はかなり分厚くなります。
点訳楽譜を利用するのはどういう人か。   
   点訳楽譜を必要とする人はアマチュアとプロを問いません。視覚障害者が楽曲を練習するには、もちろんCDなどの録音音源を使うのも有効ですが、点訳楽譜のほうが音の高低や長さ、強弱や曲想などをより正確に把握することができます。読解法の習得には、前記の「点字楽譜の解説」の教本を使います。アンダンテで講習も実施していて、これによると10回コースでひととおりマスターすることができます。読むスピードは人それぞれで、一般人が文章を読むのに速い遅いの差があるのと同じですが、習熟により読解の速度は向上します。情報の質の面では、全体を一覧することができないので、五線譜のようには行きません。
 点字の文章を読む人はかなり大勢いますが、点字楽譜を読むには表記のルールの理解が必要ですので、利用者の数は現状ではそれほど多くはありません。一説では、全国で千数百人と言われています。
 点訳者と依頼者との間では、依頼を受けるとき、レイアウトを相談するとき、疑問点を照会するとき、できあがった楽譜を届けるときに接触があり、信頼関係のもとに点訳を進めます。
 
点訳サークルの人たちの紹介  
    「アンダンテ」は1986年9月に発足しました。もう30年経っています。
 メンバーは、みな音楽が好きです。ほとんどの人が楽器演奏経験者です(ピアノ、ピアノ教師、音楽教室の教師、合唱、ヴァイオリン、フルート、サックス、オカリナの奏者など)。点訳を始めた動機は、楽しいから、好きだから、面白いから、などなど。
 苦労はなんといっても点訳のルールを覚えることで、これは仲間みんなに共通しますが、基礎を習ったのちは実践を通じ腕を上げて行きます。初めは単旋律の楽曲を訳し、慣れてくるにつれて難しい曲、たとえばピアノ譜に取り組むといった具合です。
 楽しみは引き受けた楽曲を完成させ依頼者に届けお役に立てることです。
音の作業が実り、視覚障害者が音楽を演奏する際の補助として利用してもらうのが私たちの張り合いです。また、仲間みな音楽が大好きなので、時折メンバーの家に集まって歌曲やピアノ、サックスなどのミニミニ・コンサートを催すのも参加する楽しみのひとつです(今は休眠中ですが)。
 点訳者同士、また活動を通じ知り合った方々との素敵な交流に感謝しています。
 点訳作業は、原則として毎週
回、川崎市中部身体障害者福祉会館に集まって行っています。いまの参加者数は、7人です。
 
私と点字 〜 点訳を始めた動機。あの日の一歩を顧みて   
   私と点字との出合いはもう35年くらい前になるでしょうか。新聞に載った赤十字奉仕団主催の点字講習会という小さな記事が目にとまったことがきっかけでした。折しも忙しさの中にも私自身の時間が持てるようになり、お母さんコーラスを3、4年楽しんでいた頃、まだ時間はとれると思い講習会に申し込みました。
 あの時はこんなに長く点字に携わることになるとはつゆ知らず、、です。コーラスは約10年で退団しましたが、一緒に歌っていた友人が飯田先生(アンダンテ代表)のもとで楽譜点訳の勉強をすでに始めていて、「まだまだ
 これからよ」と誘われて入ったのがいまの「アンダンテ」でした。そのアンダンテもこの9月で30年です。
 奉仕団のあの時の講師の方々はじめ飯田先生といった良き師に導かれ、点訳への尽きぬ関心を持ち続けて過ごすことができ、これに幸せを感じ、感慨ひしひしです。本来は三日坊主の私なのですが、、。
 腕前の程は年数に遥かに及びません。ですから、人様のお役に立てるかどうかなどを語るのは、未熟者としてバツの悪さを感じるばかりです。
 
ご興味お有りの方にひとこと  
   私たちの点訳作業の見学は、いつでも自由にできます。作業に参加するための点訳方法は、講習という形で習得(10回)できます。ご興味を持たれる方は、ホームページを開いてみてください。また見学を希望される方は、ご遠慮なく連絡なさってください。  
2016.11.12   垣屋 多恵子(かきやたえこ)
  楽譜点訳サークル アンダンテ 
  代表 飯田 洋司 
   電話 0454025120
ホームページ  http://web-k.jp/oburi/andante/ 

(161128掲載)

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