希 望 と 感 謝 の 歌
雲雀の歌   メンデルスゾーン 作曲、 高野辰之 作歌
     楽譜提供: 高野辰之記念館 (長野県中野市)
             新響社 発行、大正13年12月
             編曲者 I.Ogawa
 

東日本大震災は、先の大戦後最大の甚大な損害をもたらしました。
地震と津波により死亡された方々を悼み、ご遺族につつしんでお悔やみを申しあげます。
被災された方々にたいし、心からのお見舞いを申しあげます。
不測の天災による惨禍のなかで、救援のために渾身の努力を振るう人の姿がありました。同胞愛の精神で現地に赴き医療活動、物資配達、被災者の世話などに携わる人、救助に輸送に機能復旧に黙々と任務に従事する人。また、義援金を拠出し、生活物資を送るなどできる範囲で救援に参加する人が大勢います。このように、責任の信念と助け合いの善意に基づく行動が随所に表れ、被災者への同情・共感と譲り合いの気持ちが世に広がっているのは、すばらしく、また力強いことです。非常の事態を受けて世の人の徳行が明らかになったのです。 
 
私は、ギリシア神話の「パンドラの壺」を思い出しました。
パンドラは、人間界へ土産に持ってきた壺を怖いもの見たさに我慢ができず、封を破って蓋を開きました。すると中から、怪しい形のものがいっぱい立ち上がり、四方に散らばっていきました。 それはあらゆる災いや害悪で、この時以来、数限りない悪疫や災禍が世に横行して人類を襲うようになりました。
ただ一つ、「希望」だけは壺の中から出きれないでいました。パンドラは急いでまた蓋をしたので、この「希望」だけは閉じ込められたままで中に残りました。こうして希望が最後まで人類のそばに残り、勇気と力を与えることになったのです。
 
 まさに希望こそが、人に困難に立ち向かう勇気を与えてくれ、けわしい道を歩む力を与えてくれます。そうして、この世が人の善意を信じることができる世であることは、私たちにとり大きな希望なのです。

ひばりの歌     おおひばり

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